なぜ「判断する側」の資格を選んできたのか

自己紹介のときに資格の話をすると、「判断する立場の資格が多いですね」と言われることがあります。売る側の資格でも、買う側の資格でもなく、どちらでもないところで価格を見る仕事ばかりだという意味だと思います。

その指摘は正しく、私が持っている資格は、価格を判定する立場か、判断を補助する立場のものが中心です。なぜこうなったのか、少し整理してみます。

並んでいる資格の、ほとんどが判定する側

不動産鑑定士は、土地や建物の価格を根拠をもって判定する資格です。売る・買う当事者のどちらでもなく、適正な価格を判定する立場で仕事をします。

二級建築士は、建物の設計や構造に関わる資格です。不動産の価格を判定する際、建物の状態や修繕にかかる費用を自分で見立てられます。

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介に関わる国家資格です。取引の確認と説明を担います。

評価員は、公的な価格の基準をつくる業務です。地価公示評価員は、公示地価の基準となる地点の価格を判定します。地価調査評価員(愛知県)は、都道府県が毎年実施する地価調査に関わります。名古屋市のほか、県内複数の市町の固定資産税の基準となる鑑定評価も行っています。いずれも、売る・買う当事者のどちらでもない立場で、価格を判定する仕事です。

民事調停委員は、裁判をせずに当事者の合意をめざす手続き(民事調停)で、間に入って話をまとめる役割を担います。どちらか一方の代理人ではなく、当事者の間に立って解決を助ける立場です。土地や建物をめぐる紛争でも、民事調停が使われることがあります。

これらは価格や条件を見て判断するための資格や業務です。どちらか一方に肩入れして数字を動かしてしまえば、評価員の仕事も調停委員の仕事も成り立たなくなります。

判定する側の資格が集まった経緯

意図して揃えたわけではなく、結果としてこうなっています。

不動産鑑定士として独立したあと、価格に関わる業務を続けていくうちに、判定する側の仕事が重なっていきました。評価員の仕事は依頼を受けて始まるものですし、調停委員も選任されてなるものです。自分から揃えに動いたわけではなく、価格を判定する仕事を続けた結果として、同じ方向の資格が集まってきました。

この仕事を続けていくためには、根拠を出し続けることが求められます。「なぜこの価格か」を説明できなければ、評価員としても調停委員としても、長く続けることはできません。どちらか一方の都合に合わせて数字を動かすことは、こうした仕事の性質に反します。

だから、先に価格を判定してから動くという順番は、姿勢の話ではなく、仕事の形そのものです。

先に数字を見てから、動くかどうかを決めていい

私は名古屋の葵不動産で、土地や建物の価格を判定しています。売買の仲介もします。ただ、その前に必ず価格を判定します。まず価格を判定し、その結果を見て売るかどうかを決めます。売ることを前提に価格を決めるわけではありません。

まず無料で概算をお出しします。その数字を見て、依頼するかどうかを決めていただきます。ご依頼が決まってから費用を確定し、実際の作業に入ります。鑑定評価書は、判定の根拠が残る書面です。正式にお出ししたあとで内容を変更することはできないため、先に概算をお見せして、鑑定評価まで進む必要があるかどうかも含めて、ご相談者と顧問の税理士に決めていただきます。

売る・貸す・持つを並べて数字で比べた結果、今は動かないほうがいいという結論になることもあります。それも、数字を見てからでないと分かりません。

もちろん、土地はひとつずつ条件が違いますので、どの土地も同じように判断できるとは限りません。まず今の状況を数字で確かめるところから始めていただければ十分です。


まずはご相談ください

売る・貸すを決める前に、まず今の価格を確認するところからご相談ください。

お電話でのご相談
052-950-7001


よくある質問

Q. 不動産鑑定士と宅地建物取引士は、何が違いますか?

不動産鑑定士は、土地や建物の価格を根拠をもって判定する資格です。売る・買う当事者のどちらでもなく、価格を判定する立場で仕事をします。宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介に関わる資格で、取引の手続きや重要事項の説明を担います。同じ不動産に関わる資格ですが、立場が異なります。

Q. 民事調停委員とは、何をする仕事ですか?

裁判をせずに当事者の合意をめざす手続き(民事調停)で、間に入って話をまとめる役割を担います。どちらか一方の代理人ではなく、当事者の間に立って解決を助ける立場です。不動産に関する紛争でも、民事調停が使われることがあります。

Q. 鑑定評価の費用はいくらですか?

1件あたりの鑑定報酬は、物件や依頼の目的によりますが、30万円から60万円程度になることが多いです。100万円以上になることもあります。まず無料で概算をお出しし、その数字を見てから正式に依頼するかどうかを決めていただきます。費用が確定するのはその後です。

Q. 相談の前に、どんな資格を持っているか確認できますか?

はい。どういう立場で価格を見ているのかも、相談の前にきちんとお伝えしています。どんな人が、どんな考え方で価格を見ているのかを知っていただいたうえで、安心してご相談ください。

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